こんにちは、ダイスケです。
Webライター講師として生徒さんの文章を添削していると、基礎的な文章知識の重要性にあらためて気付かされます。
そこで、ボク自身がこれまで20冊ほど読んできた文章本のなかで、「これは3本の指に入る!」というおすすめを紹介します。
それがこちら。
『新しい文章力の教室〜苦手を得意に変えるナタリー式トレーニングできるビジネスシリーズ〜』
定評のある書籍で、多くの有名ライター・ブロガーの方々もこぞって推奨しています。今回、「文章書くうえでこれは知っておきたい」というものを厳選して紹介します。
ちなみに、動画も撮りましたのでお好きなほうでどうぞ。
いい文章とは完読される文章のこと
まずは、いい文章の定義をしておきましょう。
「いい文章」とは?
「いい文章ってどんなん?」
この問いへの答えはさまざまに考えられますが、筆者は「完読される」ことと定義しています。
「完読」はWebライターとしてもつねに意識したい目標であり、めっちゃ納得です。結論から述べる、適切に改行を入れる、漢字を開くなども、すべてはユーザに完読してもらうための工夫なわけですね。
完読されるとページ滞在時間が上がり、SEO効果も期待できます。Googleに「これはユーザに役立つ高品質な記事だ」と認めてもらえ、検索で上位表示しやすくなります。
こういった完読される文章が「いい文章」です。じゃあ、逆に「悪い文章てどんなん?」と思いませんか?これを筆者はラーメンのたとえで説明してくれていて、わかりやすいんです。
「悪い文章」とは?ラーメンで解説
筆者はラーメンについて「あなたはどんなとき、食べきれず残してしまいますか?」と問いかけます。
これに対して筆者が挙げている答えが以下のようなものです。
- 多すぎる
- 伸びてる
- 麺ののどこしが悪い
- 虫が入ってる
- 店内が不潔
- 具がなくて単調
- 食べたかった味じゃなかった
- 味が濃すぎる
- 逆に味がしない
どれもラーメンを食べきれない理由として最もなものですよね。これを文章で言えば、それぞれ次のようになります。
- 多すぎる→文章が長すぎる
- 伸びてる→タイムリーな話題じゃない
- 麺ののどこしが悪い→リズムが悪い
- 虫が入ってる→事実誤認がある
- 店内が不潔→誤字や用語の不統一がある
- 具がなくて単調→繰り返しばかりで飽きる
- 食べたかった味じゃなかった→求めていない情報
- 味が濃すぎる→主張が強すぎ
- 逆に味がしない→得られるものがない
このような欠陥のある悪い文章は、まずいラーメンが完食されないように完読されません。
ボクは天一が大好きで、いつも「あかん」と思いながらスープを一滴残らず飲み干してしまうのですが、ぜひそんな文章を書きたいものですね。
主眼と骨子を明確にする
筆者は「書く前の準備で文章が決まる」と言います。これはホントにそうですし、初心者ライターに伝えたいことです。
この書く前の準備として押さえておきたいのが「主眼と骨子」です。
主眼と骨子とは
筆者の言う主眼と骨子とは、このようなものです。
- 主眼:テーマ
- 骨子:要素、順番、軽重
文章を書き始める前にすることが「今から何を書くのか」を明確にすることです。当たり前のように思えるかもしれませんが、初心者ライターほどこれをしていません。
慣れないと難しいのはわかりますが、テーマを見据えた上で文章を書き始めることが大切です。で、テーマと同時に決めておくのが骨子です。
骨子というのは筆者独自の呼び方ですが、文章の骨格をなすものとしての、要素、順番、軽重のことを意味しています。
どんな情報を、どういう順番で、どれだけずつ書くのか、ということですね。こんなカンジでまず文章を書き始める前に、主眼・骨子について決めておきます。
何を・どれから・どれくらい話すか
文章を書き始める前に、何(要素)を、どれから(順番)、どれくらい(軽重)話すかを決めておきます。
要素についてさらに言えば、個人的にはこんなふうに考えています。
- ゼッタイ外せないコアな情報は?
- コアを言うのに付随してくる情報は?
- それらに+αするサブ情報は?
上記のような3つに分けて考えると、要素はわかりやすいと思います。
で、コアな情報ほど先に持ってきたいので、要素決めと同時に、順番もおおかたは決まることが多いです。
軽重については、コアな情報がクローズアップされるように調整します。コアな情報が内容的にメインだし、ボリューム的にも然りで、より多くを割きます。コアで大事な情報以外に、サブ情報も同じくらいのボリュームがあるなら、どれがホントに大事なのかわかりにくくなりますよね。
要素や順番、軽重もはある程度は書きながら調整もします。推敲段階でも調整します。こんなふうにして、何を・どんな順番で・どれくらいずつ書くのかを最初に決めておきます。
構造シートで整理する
筆者が主眼と骨子を固めるため、新人記者に書かせるのが”構造シート”なるテンプレートです。
構造シートでは、まず箇条書きで書くことを列挙するとありますが、ここが見てほしいところ。
こういうことを初心者ライターはやっているかなって思います。
箇条書きで書くことを列挙するというのは、要するに、ブレストレベルで書く要素を言語化していきましょうってことです。
Webライティングするときはメモアプリに下書きすると思いますが、まずはメモアプリに改行を連続して入れて自由帳的なスペースを確保し、そこで思考を自由に言語化します。論理とかまずは無視でいいので、バババッと書き出すのがコツです。
筆者の提唱する構造シートをまんま真似る必要はありませんが、まずは箇条書きで書き出すなど本質的には同じことをやることになります。
まとめ
『新しい文章力の教室』から大事だな〜と思った箇所だけピックアップしました。
初心者ライターはぜひ知っておいてほしい、基礎的にして重要な知識が詰まっています。
特に大事なのが書籍の前半部分です。
- 第1章:書く前に準備する
- 第2章:読み返して直す
時間がないってかたは、上記の部分だけでも読んでみてください。
ちなみに、もっと詳しく文章を勉強したい人には、以下の『書く技術・伝える技術』もおすすめです。
こちらは豊富な文例で、パラグラフを意識したライティングが学べます。初心者向けの『新しい文章力の教室』と合わせて効果倍増です。